■紹介その3 |
「そういう事なら遠慮無くいかせてもらうわよ.・・・チェ~ンジ,アタックモード!!」 前回,バトルロイヤル的ルールが突如発覚したため,料理自体に興味のないMillicent:Nも俄然やる気を出していた. 「何がチェ~ンジよ,そんなんで変身できるなら苦労はって・・・え!?」 IZUMIが驚くのも無理はない. しっかり変身してMillicent:Aとなっていたのだから. 「ふっふっふ,みりせんとアタックモード・・・強さはざっと5倍(当人比)」 「語尾が変わった位で,出るアイテムが変わると思うな~はうぅ・・」 がいんと音がして,鉄アレイが直撃した. 余計な事を言って矯正力を喰らうIZUMI. 「その首獲ったぁ~!!!」 その隙を見逃すはずもなく,Millicent:Aの攻撃!! 「くっ,我が左手に沈黙の盾!!」 「な,なにぃっ!!!」 Millicent:Aの攻撃は,IZUMIが左手で前面に押し出したMAIによって防がれていた. 「・・・1個落ちた・・・」 MAIは,今の衝撃で地面に落ちたイチゴをじーっと眺めた. 「でも,その状態では攻撃まで手が回らないようねっ.チェーンジ,エクセレントモード!!」 MAIの両手が,イチゴの入ったザルと受け流しに使用したまな板で塞がれていることを見抜いたMillicent:Aは,更に攻撃力の上がるMillicent:E(約10倍)に変身して連続攻撃に入った. 「甘いっ,我が右手に輝皇の剣っ!!」 「なな,なにぃ!!!」 「IZUMIさん?えっ?きゃ~!!!」 Millicent:Eの攻撃は,IZUMIが右手で押し出したSesilに・・・当たって・・・Sesilは吹き飛んだ. 「・・・こんなお子ちゃま私にぶつけて良心の呵責はないの?」 「Sesilはぺったんだけど,お子ちゃまじゃないぞっ」 「・・・ひ,非道いですよう・・・」 涙目のSesil. 「・・・みんな子供だよ.やれやれ・・・」 「「ちょっとくらい発育良いからって~!!」」 MAIの独り言に突っ込むIZUMIとMillicent:E. 突如,ゴゴゴゴという効果音と共にSesilの気が変わる. (これを待ってたにょだ) IZUMIが,にひと笑う. 「ゆ,ゆるさぬ!!喰らえっ,そーうえーんざーん!!!」 Sesilがラピスブレード(注:本来なら使用できません)を振りかざし,凄まじい気迫と共に振り下ろした. 「にょほっ!!」 Millicent:Eはすんでの所で攻撃を避けた. 凄まじい剣圧は観客前のシールドにぶつかり,シールドにはお約束のひび割れが入った. 「双円斬?これはまた高威力な技の炸裂だぁ,対するMillicent選手の反撃はどうかっ!!」 ANIKIが実況している.すっかり大会の趣旨が変わっているのだが,まあ誰も咎める者はいなかった. 「ふっ・・・どうやら私を本気にさせたい様ね・・・」 「ふん,負け惜しみを.私は料理するから,この2人の相手でもしてなさい.でも押され気味な様だけどぉ~」 「はぁ~~~」 Millicent:Eは,気を貯め始めた. 「・・・戦闘力が上がっているみたい」 MAIが,双円斬で散らばったイチゴの中から,使えそうなのを物色しつつ呟いた. 「Millicent:G(みりせんとぐれーと)見参!!」 発散していた気が収束し,一瞬場が静寂に包まれる. 「「「グレート?」」」 3人は同時に呟いた. 「おほほほ,ざっと20倍の強さのグレートモードになったからには,もう泣いても許してあげないぞ」 「その,カレーみたいな強さの上がり方に納得いかないんだけど・・・」 「・・・おいしそう」 IZUMIの感想に続き,MAIが何か間違った感想を漏らす. 「良かろう,相手にとって不足なし」 Sesilは人が変わってます. 「ふんっ」 Millicent:Gは,いつの間にか手に持っていたミカンをぐしゃぁと握りつぶした. 「こうなりたくなかったら降参しなさい」 「あんたこそ,こうなるのがオチよん」 IZUMIはそう言いつつ,リンゴをSesilに向かってぽいと投げた. ちん,と音がして(別に鞘に入っていないのに音がするのは内緒)リンゴは一瞬のうちにみじん切りにされていた. 「・・・またつまらぬ物を切ってしまった・・・」 頬をちょっと赤らめてSesilは呟いた. だったらやらなきゃいいのに・・・ 「ならこれはどう?」 Millicent:Gは,お次はと紙とサインペンを取り出した. 「な,いきなりなんのつもり?」 「こうすんのよっ」 さらさらさらっと,IZUMIの似顔絵を描くMillicent:G. 凶悪な表情だが,特徴とらえているので良く判る. 「これをこーしてあげるっ」 「ああっ,なんてことをっ!!」 IZUMI画には髭が追加されていた. 三日月形の見事な髭が上向きについていた. 「ぐににに・・・」 「おほほほ,お似合いだわ」 すでに子供の喧嘩だが,当人達は真剣である. 「やれやれ,これだから子供につきあうの大変なのよね・・・」 「「お前も子供だろ~!!」 MAIは,先日読んだ漫画の影響もあって,ちょっとませていた. IZUMIとMillicent:Gのつっこみも当然だが,実は良いコンビかもしれない・・・ でも料理は? 「妾の相手はお主か・・・」 「そうみたいね」 HELLIONとNAVEが対峙する. 「あんたとはどうも初めて会った気がしないけど,まあこれも勝負だから,手加減しないよ?」 「ふん,奇遇じゃの.我もそう思うた所じゃ.先祖が同じ出身地なのかもしれんの・・・」 緊迫した,戦士の会話である. かたや・・・ 「うー,なんかだるい~.でも頑張るる~」 ふらふらなDainがそこいた. 「もう,我々兄妹に後はない・・・おまえに恨みはないがここで死んでもらう」 「そうよっ,お兄ちゃんのとばっちりで死ぬのは嫌よっ」 yamada3とNERVが己の延命をかけて戦いに挑もうとしていた. 「げっげっげ,お前等ごときに俺様が倒せると思ってんのか?」 Dainの鎧というより,今やDainと一体化した寄生防具ナルナルことナル吉が何時の間に覚えたのだろうか?高度に人語を使いこなしていた. ねえ,ていうか,料理は? (くっ,よりによって一番人数多いとこかよ・・・) FennelことMasaが舌打ちした. 相手はレイマーズ.普通に考えると不利な組み合わせである. 「さぁ,頑張りましょう~」 白Poroが気勢を上げる. ちらっとFennelを見たのは気のせいではない様だ. (きゃつめ・・・とんだ喰わせ者だってことか・・・) 「だが,俺には守るべき者がいる・・・」 胸に手を当てるFennel. (・・・あいつ,何時の間にこんなに・・・) 現在の人格であるMasaは少しにやけていた・・・合掌. お願いだから誰か料理しようよ・・・ 「私が1人だからといって甘く見ると痛い目を見ますよ・・・」 (んなこたぁ百も承知・・・でも,まだ自分に迷いがあるのが判る・・・) 私はIXYがどうしてこうなったのか,まだ納得できないでいた. 「私達も料理じゃ負けるから,サポートに入るよ」 「そだね,私も料理まともにできないし」 MachildaとYUKIも戦うつもりでいる. (やっぱりなにかがおかしい様な・・・) このとき,漠然と抱いていた不安は後に現実の物となる・・・ 「ねえ,どんな料理がでてくるのかな~,楽しみだよ~」 「この状況下で,料理なんかでてくるの?」 KOTORAは嬉しそうにしているが,HARMONYは既に料理とは名ばかりの物になったと思い始めていた・・・ ここは舞台裏・・・ 「嘘・・・菱形幹部いっぱい・・・.占領へりおんに,検非違使ねいぶに,ニヤソいずみに,雪印はーもにーに・・・他にもいるのかな?教授」 「判りません.見た目は確かにそっくりですが,どうやら現在までの情報から判断するに,ここは平行世界と言えるかもしれません」 伊吹がサポートAIのアソビン教授に聞く. 「お,新人の子だね?俺たちもでるから宜しくね」 番組途中のアトラクション要員として出演する7th(7th:ヒューマー)が,NAVEに連れてこられた伊吹に声をかけた. 「あ,えと,宜しくお願いします」 しばらくは,流れに身を任せて情報を仕入れようと言うのが教授の判断だったので,様子を見ることにしたのである. 「あ,7ちゃん.その子かい?一緒に参加する子って」 Zai-On(ざいおん:ヒューキャスト)が話しかけてきた. こやつは,良いことないかな~とぶらついていた7thが,ある日ゴミ捨て場に捨てられていたのを拾ったのである. せめてレイキャッシールが良かったと思った7thだが,捨て置こうとした瞬間に目覚めて,足にしがみつかれてはそうもいかなかった・・・ だが,以外に性格が合うのか,気の良い相棒といった感じになっていた. 「Zai.準備できたらその子に今回の説明してやってくれ.俺は飲み物でも買ってくるよ」 「判ったよ.それじゃ,今回の話の説明するよ・・・」 (・・・元の世界に戻れるのかなぁ・・・) Zaiの説明も虚しく(その辺りは教授がサポートするのだが)伊吹はだんだん心配になってきていた. -終- |