■RQ3伝説から神話へ |
「・・・くっ,ここは・・・?」 ALFAINが目を覚ますと,目の前には見慣れぬ風景が広がっていた. 「そうだ.Poroは・・・げは・・・」 「すぴーすぴー,うまうま,もう食べられないっす~」 愉快痛快全開で夢見心地のPoro. よだれが垂れている. 「起きんかいっ!!.おわっ,なんとぉ~」 げしっと蹴るALFAIN,だが,Poroに足を捕まれ,なんとかぶりつかれたのだ. 「はぐっ」 「ぎにゃ~!!!」 悲鳴を上げるALFAIN. 「くのっ,くのっ,俺は貴様に喰われるために生を受けたのではないんだ~!!!」 必死に抵抗するALFAIN.だが,Poroの膂力は実のところ並はずれていたのである. 「や・やばひ・・・このままでは・・・」 (・・・アルさ~ん・・・・アルー・・・・あははは・・・・こっちこっち・・・) ALFAINの脳裏に今までの出来事が走馬燈の様に浮かんできた. これはあっちの世界へのゴーサインとも言う. 「こ,この際,誰でも良いから助けてくれ~!!!」 「お助けしまきゅ!」 救いの主として現れ出でたるはラピ子である. ひらひらっと,濡れタオルをPoroの顔面に(マスク被ってるから判りにくいが)詰め込むラピ子. 「げふぉげふっ」 さしものPoroも足を吐き出した.皮膚呼吸だけでは生きられない様です. (注:危険なので絶対真似してはいけません) 「おや?ALFAIN.飯の時間か?」 けろっとして曰うPoro.唖然とするALFAIN.だが,それよりもラピ子が気になったので無視することにした. 「ラピ子・・・一体どうしてここに?」 「私こそ驚いたできゅ.アル様こそどうしてここに?」 「いや・・・お前を捜してたんだけど,まさかこんなにあっさり見つかるとは思わなかったんでね」 「あ.アル様・・・私なんかを捜しに来てくれたんできゃ?」 「いや・・・まあ,その,脅されっつか,ちょっと心配だったからね」 「アル様・・・」 見つめ合う2人?2匹?妖しい雰囲気が醸し出される・・・ 「あー,お2人さん.続きは後でやっとくれ.それより飯はまだかいの・・・」 「「やかましきゃ~!!」」 愛?のツープラトン炸裂.Poroは,ぽろぽろと転がって,ドボチャンとさっき出てきた池に落ちた. 「にしてもすぐに見つかって助かったよ.てっきり散々な展開になると思ってたから」 ALFAINが心底ほっとして言う. だが,そんなあっさり終わるわけないって. 「アル様,それじゃ救出シーンやってみましょうきゃ?」 「え?」 「せっかくなんですもの.とらわれのお姫様ってのをやってみたいできゅ」 「そ,そんなことしなくても.早く帰らないと俺にも予定が・・・」 焦るALFAIN. だが,世界(読者)がそれを許すはずもなく・・・ 「はい.それじゃ,目覚めの口づけを・・・」 ぽてんと横になるラピ子. 「な,なんでやねん・・・」 ALFAINもいきなりのクライマックスに焦っている. 「はい,むきゅー,むきゅー」 気のせいか?くちばしが更に突き出ている様な気がする・・・ (って,おいおい・・・こんなことに真面目につきあったら俺は畜生道に堕ちるんじゃないだろうか?) さしものALFAINも,菱形のム○○○○さんには勝てない様で,人間としての理性が警報を鳴らした. 「いや,やっぱり帰るぞ.爺さんも心配してるからな」 「あの時はいきなり奪ったきゅせに・・・」 ラピ子が目に涙を貯めて言う. 「くっ,若気の至りつか,若さ故と言うか,現実だと思って本気になったのがまずった・・・」 「・・・お主,力が欲しいか?」 「誰だっ?」 突如背後から怪しい声が聞こえたので,驚くALFAIN. 「・・・主が望むのならば,この場を切り抜ける力をくれてやろう」 「アル様~,早くぅ~きゅるきゅる・・・」 前門のラピ子,後門の謎の声.この際,この場を離脱できるならと,ALFAINは悪魔に魂を売る決断をしたっ!! 「あぁ.判ったこの場を切り抜ける力をくれっ!!」 「承知・・・とおっ」 背後の池からバシャーンと謎の物体が登場・・・ 「げ,貴様,何者?」 ALFAINが己の決断を早速後悔していた. 黒くて丸い球体,一見するとレイマーの様だが,何かが違う,細部も色々手が入っているが,最大の特徴は,額にきらめく[味]の1文字・・・ 「1つ料理は人の道,2つお代は食べてから,3つみんなの食の為・・・正義の食人,その名も味レイマ~見参っ!!」 何故か,背後の池から爆発が起き,BGMまで鳴っている. 「・・・き,貴様はPo・・・げふ」 「ちっちっち,我は味レイマー1号だ.その様な者ではない」 味レイマー1号に口を塞がれて黙るALFAIN. 「では,お主の望み叶えてやろう・・・」 味レイマー1号はラピ子に向かう. 「・・・な,何者できゅ?邪魔しないで・・・」 本能で恐怖を感じるラピ子. ラピ子の前には山の様に立ちはだかる味レイマー1号・・・ 「くっ」 ラッピーダッシュですり抜けようとするラピ子. 「甘い,甘いぞ.主の行動は既に見切っておるでの」 味レイマー1号が手をさっと動かすだけで,ラピ子は捕まっていた. 「では・・・いただきます・・・」 ラピ子の頭をかぷっと口に入れる味レイマー1号. しばらくして,きゅぽんと音をたてて,気絶したラピ子が地面に落ちた. 「・・・ジャスト1分だ.良い夢みれたじゃろ?」 味レイマー1号が,舌なめずりをして言う. 「・・・な,なんつー荒技を・・・」 ALFAINもあまりの展開に驚いている,いや,私も驚いているのだが・・・ 「・・・ALFAINの味がする・・・ぽっ・・・」 突如頬を赤らめる味レイマー1号. 「げはぁ.なんでそんな味がするんだっ!!それに,その恥じらいみたいな仕草やめれ・・・」 ALFAINは,思わず地面をのたうち回った. 「ぜーはーぜーはー・・・と,兎に角,これでラピ子連れて帰ることができそうだな・・・」 「よし,それじゃこれに着替えて貰おうか?」 「は?」 「主の依頼は果たしたでの,報酬として,我にしばし付き合え」 1号の指さす先には,[2号の服]とか書いた箱があった. 「断る」 ALFAINは即答した. 「それじゃ,お主と儂が間接接吻しあう仲ということをふれて回るぞ?」 「着る」 ALFAINは即答した. いそいそと着替える間に1号からいろんな説明を受ける,今や2号と化したALFAIN. どうやら,例の池は思った場所に移動できる機能があるらしい. なんでも太古西暦と言う時代の,どこにでも行けるアイテムの技術が応用されているとかいないとか・・・ そのおかげで,気絶したラピ子を家に戻した後,2人は別の場所に移動していたのである. 「で,どこ行けば良いんだ?」 ALFAINも覚悟完了した様である. 「大会会場だ・・・そこで我らの力で歪んだ食を正すのだ」 (丁度良い・・・向こう着いたら,こんな茶番ともおさらばだ・・・) そう思いつつ,味メットを脱ごうとするALFAIN. 「あれ?・・・とれない・・・」 「言い忘れておったが,そのメット,無理にはがそうとすると自爆するぞ?まあセーフティでそう簡単には脱げないので安心だ」 「・・・もう好きにして・・・」 どうやら,先ほどの覚悟では足りなかった様である. 「それじゃ行くぞっ」 2人は池に飛び込んだ. 懐かしのラスタースクロールでうねうねした後,大会特別席の側に到着した. 「・・・うえ,これ何度やっても気持ち悪い・・・」 2号は少し酔った様である. (むぅ・・・やはり,あれがかなり覚醒しておる・・・時間があまりない様だな・・・) 1号の視線の先には白くて丸い物体がいた. 「だが・・・まずは,大会を制しないことにはいかんな・・・」 2人はステージに向かうべく歩を進めたのであった・・・ -終- |