■紹介その2 |
「さ,さむーい.こ,これは帰ったら名湯10泉その3でも使ってゆったりしたいわ・・・」 ここは,極寒の地. EVEは,据え置き型ゲート君mk5の設置を行っていた. これは,離れた場所を繋げる役目を果たしてる. 現在ラグオルには,未踏地域がかなり残っていた. 惑星全土の調査(しかも人力による)ともなると,なかなか一朝一夕には行かないのである. また,居住地域等の重要地区から重点的に調査を行うことになっている. 現存する遺跡の調査もままなっていない為,その他の地域の本格的な調査は行われていなかったのだ. EVEの特殊任務とは未踏地域の先行調査だったのである. 「は~,やれやれ,疲れたねぇ」 「・・・こ.こ.こらこらこら.そこな屯田兵!!ちゃんと設置手伝ってよ」 EVEが,少し離れた地点で休憩しているONPUに怒鳴る. 「?.だって,今日は運び屋だもん.設置は別料金だよ?」 「そうそう.私等だって慈善業者じゃないんだから」 ONPUとFi-naが涼しげに(涼しいを通り越して寒いのだが)言う. 「・・・ねぇ,あんた達,温泉とか好き?」 「温泉!!」 EVEの一言に,今まで縮こまっていたRinoaが飛び起きた. 「へー,そんなのあるんだ」 「良いかもしれないね」 2人も興味を持った様である. 「それじゃ,手伝いましょう~.お肌つるつるっの,すっべすべ~」 はしゃぐRinoa. 「「おっけー」」 2人も賛同した様である. (しめしめ・・・) EVEは,3人にまんまと作業を手伝わせることに成功した. ていうか,報酬はきちんと確認してから依頼は受けないと・・・ 場所は変わって会場へ・・・ 「さて,ちょっとしたハプニングもありましたが,選手の紹介を続けたいと思います」 ANIKIが司会を続行する. なかなか板についてきた様で・・・だが,場は急展開を迎える. 「・・・突然ですが,みなさんにお詫びしなくてはいけません.」 「「「え?」」」 IXYの言葉に,私を含めた3人が唖然とする. (一体何のこと?) Machildaが聞いてくるが,私も見当がつかない. 「実は,私達は4人のチームでしたが,私は今を持って独立して戦うことを宣言致します!!」 「「「な,な・・・なー!?」」」 「ちょっと,これって?」 YUKIも驚くが,当然私もである. 「IXYさん・・・一体突然どうしたの?」 「・・・フフフ.私をのけ者にしようと言う魂胆は判っているのです・・・泣いちゃいます・・・」 仕草が可愛いので全然怒っている様に見えないのだが,今はそれどころではない. 「だ,誰もそんなことしてないって・・・」 「まちさんのま,ゆきちゃんのゆ,ちとせさんのちー・・・私入ってないじゃないですかぁ・・・」 「最後のいーがIXYさんじゃないですか,それに,みんなで決めたのに」 チーム名は,えてして,みんなの名前をとってつけるということが多かったりする. 女の子達だと可愛い物である. が,女のこじれはタダでは終わらない・・・ 「人の心は脆いもの・・・くわばらくわばら・・・」 「ん?Poro.どうした?Thitoseさんがどうかしたのか?」 紹介も済んで席についているREDが,隣りのPoroに問いかける. 「いえ・・・ちょっとしたきっかけで色々あるもんですな~と・・・ね」 Poroの口元が笑っているの様に見えるのは気のせいだろうか? 「・・・私の全力を以てお相手致します・・・」 ひー,IXYさん本気でバトルする気だよ・・・ 「わー,乱入だ~,やれーやれー!!!」 観客は大喜びである. 久しく退屈してただろうから余計に燃えている. (ちょっと,ちーってば,どうすんの?) Machildaが相談してくる. 「仕方ないわね・・・」 私はくるっとIXYの方に向き直り宣言した. 「良く判ったわ,貴女の決意の堅さ・・・.シャッフル同盟もここまでの様ね・・・」 「ちーちゃん,ビデオの見過ぎだって・・・」 YUKIが茶々を入れる. 「フフフ・・・料理で私に勝てると思っているのっ?この馬鹿弟子め~」 「くっ,私は負けないっ.例え貴女が相手もっ!!」 「あーあ,2人とも昨日燃えてたからねぇ・・・」 実は,昨日みんなで格闘物のビデオ見ていたのだ. なんでも,布を自由自在に操り,鋼鉄をも切り裂く師匠と,素手で弾丸を受け止める弟子の熱い戦いを描いた一大巨編であった. 「では,現時点を以て,新チームの登録を承認しますっ!!」 ANIKIが場を盛り上げる為に,この件を認可した. まあ,主催者側はすでに認めていたので,何等問題はなかったのである. (でも昨日までそんな素振りすら見せなかったのに・・・一体・・・) 私の不審をよそに,場は進行する. 「次は,特別選出のシスターレジェンドのみなさんです」 「あ,あの・・このチーム名,とても恥ずかしいんですけど・・・」 「何言ってんの.今はこれがはやりなのよ.世の中うけた者勝ちって言うでしょ?」 心配そうなSesilに向かってIZUMIが言う. 「まあ,なるようになるでしょ?」 MAIは毎度ながらマイペースである. 「は~い,パイオニア2のお兄ちゃんお姉ちゃん達~.みんなのアイドルIZUMIとその仲間達の出番だよ~」 IZUMIがいきなり場の主導権を握る. 会場は大賑わいである. よもや,ここまでちびっ子うけが良いとは・・・私もダブルビックリ. (うぷぷぷ.これで優勝への根回しも,ばりっちおっけいって感じ~) 手を口に当ててにやつくIZUMI. だが・・・その思考は乱入者(ひあーかむずあにゅうちゃれんじゃ~)に中断された. 「あはははははー!!!.笑いが始まると書いて笑始と読む・・・.そこな,おちゃらけハニュエールに天誅を下すは正義の使い手.その名も・・・」 「そいでね~,あはは,そうなんだよ~・・・」 「えっ?なんのことですか?」 IZUMIがSesilと雑談をしている. 「・・・こら~!!人の話を聞けっ!!」 謎の乱入者は口上を聞いて貰えなくて悲しかった. 「また飛び入りだ~!!!」 観客は連続するハプニングに大喜びである」 「わっせわっせ・・・」 乱入者がステージにやってきた. 「我が名はMillicent:N(みりせんと:フォニュエール).世間を騒がす貴女を成敗!!」 「・・・誰かと思えば,ミリじゃないの.私の敵ではないとなんでわかんないかなぁ」 「何言ってんの.この前の音ゲー大会じゃ,私勝ってたのに,あんたがコード引っこ抜いたから大会パーになったのよ!!」 「あれは不幸な事故でしょ.ちょっとつまづいただけじゃないの」 IZUMIがぺろっと舌を出して明後日の方向を向く. どうやら因縁浅からぬ仲の様で・・・ 「・・・では,新規参加者の登録を・・・っと」 「え?」 ANIKIの言葉に驚くMillicent:N.それもそのはず,別に料理バトルに参加するつもりはなかったのだから. 「あ.あの・・・もしもし?」 「え?あ,ご心配なく,いかなるアクシデントも進行に取り込むのが真の司会者の努め・・・無料ネットカフェで鍛えた力は伊達ではないのです」 なんのことやらさっぱりだ. 兎に角,参加者?が増えて更に混迷を深めるバトル決勝・・・終わるの? -おわ・・・ 「こらこら.後1人なのに俺の紹介なし?」 最後の1人が怒鳴っていますが,都合(書く気力)の問題により次回に持ち越しっ!! 「ひで~!!」 南無~.世の中そういう物です. -終- |