■物は大切に… |
ここは,パイオニア2はハンターズギルドメンバーの1人,HELLIONの部屋. そこには,僕(まちがっても「ぼく」と呼ばないよおに)?手下?部下?まあ何でもいいのですが,の2体を目の前にして仁王立ちのHELLIONがいた. 「・・・ほっほっほ・・・このディスクを入れれば完了じゃ・・・」 手には,今や太古の異物と化したGDROMのディスクがあった. どうやら,2体のアプリケーションソフトを入れてあるディスクの様だ. かぱっと,yamada3背部のディスクドライブカバーを開けるHELLION. 蓋には渦巻の刻印がしてあった. 「この前の土星製のドライブは壊れてしもうたでの.型落ち品とは云え,税抜き9900メセタで買ったこのドライブにあうソフトを探すにも一苦労してしもうたわ」 なにやらぶつぶつ言いながら,ディスクをセットしようとするHELLION. 「”ああっ,ご主人様.私は一生を貴女に棒げます3”インストールじゃっ!!」 とんでもない名前のアプリケーションもあったものですが(3と言うことは,シリーズ物?)手を振り上げてドライブにセットするHELLION. ディスクは丁寧に扱いましょうね・・・セット時に,パキっとか音してますが・・・. しゅいーん,きゅ,きゅるきゅる,きゅきゅきゅきゅぴ?せがががっ・・・. 怪しいアクセス音と共にデータロードが始まった様だ. 「今の内に,こやつにもインストールじゃ・・・」 続いてNERVのドライブカバーを開けるHELLION.どうやら,こちらのドライブも同じ物の様です. 「こっちは,これを入れてみるかの」 手には先程とは別のディスクがあった. 「”ラエルマベリーで作る謎じゃむ”インストールっ!!」 料理バトルを踏まえての様ですが,何か怪しさ爆発のソフト名です・・・. 同じく怪しいアクセス音と共にインストールされていく. 「ふぅ,しばしティータイムじゃ・・・.これ,ケル○ロス.お前も来るがよい」 パタパタと飛んでくる物体ありけり.マグのケル○ロスである. リヴと呼ばれるタイプのマグだ.蝶々の様な形状は,装着者によっては大変可愛いと評判のマグである. しかし,この組み合わせは,地獄の番犬(と書くと名前伏せた意味がないですが)と言う名に相応しいかもしれない. (ますたー.わいにも食わせてくれるんか~?) ・・・このマグはどうやら異世界から来た様である. 「おぉ,相変わらず,聞き慣れぬ異国の言葉じゃが,最近は大分解読できるようになったものよ」 ケ○ッグ「トリフルイド味」にミルクをかけてマグにあげるHELLION. なんつー餌ですか?食べる方も食べる方ですが. (う~ん,美味い,美味いで~) はぐはぐ,もといガツガツと貪る(という表現がぴったり)ケル○ロス. こ,怖すぎます. 「良い食べっぷりじゃ,食い倒れぬ様にの・・・おろ?終わったか?」 そうこうしている間にインストールが終了した様である. 「どうじゃ,お主等,気分は?」 2人のディスクを取り出し,起動スイッチを押すHELLION. しゃきーん,と目が光って再起動完了した様です. 「「・・・・」」 「おや?どうした?調子はどうじゃ?」 無言の2人に話しかけるHELLION. 「・・・へろーえぶりわん.みーはジーニアスyamada3なるぞ.そこにすたんだっぷ!」 「にゃにぃ!?」 何かおかしいと思い,添付の説明書とインストールに使用したディスクを見るHELLION. 「な,な,なんと~.紛い物であったわ~!!!」 よく見ると,ラベルには”ああっ,ご主人様.私は一生を貴女に棒(ぼう)げます3”と書いてある. 捧げる(ささげる)と実は違った様で,しかもラベルのシールがぺりぺりとめくれる事も判明(GD-RWだった様です) 下には,ジーニ○ス○○辞典とか書いてある. しかし,これをインストールして認識する方も方です. 「ええぃ,まさか,こやつも?」 慌ててNERVを見るHELLION.予想は的中していた. 料理用ソフトと違い,疑似体験用調教ソフト(って何?)だった様である. 「ミャウはラエルマベリーを食べて成長するんだみゃ~」 NERVは猫の様にうずくまり,顔を手でこすっていた. 「おう,しっと!!みーのする事に邪魔はなっしんぐ.そこを,ごーすとれいと!!」 yamada3は,柱に向かって何やら喋っている. 「ええぃ,訳の分からぬ戯れ言をわめきおって~」 「ラエルマベリーはジャムの材料じゃないんだみゃ.でもカノ人ならきっと作るんだみゃ.でも誰も食べないんだみゃ」 あぁ誰か助けて,世界が壊れる・・・. 「やはり,秋葉橋の怪しい露店で買いたたいたのがまずかったわ・・・」 秋葉橋と言うのは,パイオニア2の電気製品専用艦の事である.姉妹艦に日本原と言うのが存在する. 「仕方がない.これだけは使いたくなかったが・・・」 懐から何やら取り出すHELLION. たったかたったったーたーたー♪とか怪しいBGMと共に取り出したるは,どうやら笛の様である. 「・・・許せよ,お主等・・・暴走したお主等を止めるにはこれしかないのじゃ・・・」 実はその笛はロボットのある回路に影響を与える電波が出る仕組みになっており,強制的に活動停止にさせる事ができるらしいと言う代物であった. だが,暴走させた責任はどうなのだろうか? そんな事,HELLIONの頭の片隅にもある訳はなかったのだが・・・ ぴ~ろ~り~ぴろ~ぴろぴろぴろ~・・・ 怪しい笛の音が鳴り響く. 「「きゅぴ?」」 一時活動が止まる2体. 「・・・効いたのか?じゃが・・・こいつは・・・」 (はぐはぐ・・・美味いで~) HELLIONの視線の先にはケル○ロスがいる.マグには効かない?そんなまさか・・・ 「・・・ふおぉぉぉーーー.おわっちゃー.ゆーあしょっく!!!みーは,えいじおぶえんぱいあねー」 「みゃみゃみゃーみゃー.ストライクラコニアクローだみゃー!!」 すっかり逝っちゃってる2体,効果は全然ないみたいです. 「・・・ぬ,ぬかったわー.そう言えば,こやつらから良心回路を外したの忘れておったわ!!!」 この笛の音.実は,ロボット大原則の効果が適用されていて,ロボットの良心回路に影響をもたらす物だったのである. リミットカットの為に回路を外したのをすっかり忘れていたのである. 「「きゃははは!!!」」 壁を連打し始める2体. 埃が舞飛び,壁にヒビが入り始めた.このままでは明日の朝になってご近所に見つかる前に引っ越す事が確定です・・・ 「やめんかー!!!」 絶妙,まさに妙技と云えようか? 偶然にも斜め上45度の角度で振り下ろされたHELLIONの手刀は,2体の頭を連続でスパコーンと薙いだ. (・・・ピピピ.アプリケーションエラー.強制終了後,再起動・・・本アプリケーションは破棄されます・・・) ぴぽっと音がして,再起動モードに入る2体.これで再インストールも可能だ. 「・・・くくく,やはり機械は,叩くと直る!!」 この時代になっても,この定説は覆されていなかったとは驚きであるが,果たして本当なのだろうか? 兎に角.夜逃げしなくて済んだので一安心のHELLIONであった. -終- |