■黄色い太陽 |
1月20日晴れ.今日は非道い目にあった・・・. 「うー,まだ頭がズキズキするわね・・・」 私は頭に手をやりながら日記を書いていた. 「じゃ,もう寝ようっと」 ベッドに潜る私.さて,その内容と言うと・・・ 「うふ,うふふふ・・・敵,敵はどこだぁ~」 私は,私でなくなっていた・・・.最初は眠たかったのだが,ある一点を超えると目が冴えてきた. 「あぁ,ちーちゃん壊れた・・・」 「ち,Thitoseさん,魔物ハンターと化してる・・・」 (この前黙って姉御のアイス食べたことばれた?) YUKI,MAI,Poro3人それぞれの思惑をよそに,私は探索中の遺跡にて敵を倒しまくっていた. 「閃!!」 愛用のグングニルで薙払う.気持ちいい~.あ,やばい,人格変わってる・・・. 「と,とにかく帰ったほうが良いよね」 YUKIが心配して,皆に問いかける. 「うん.そうだよ,帰るんだよ」 MAIも同意する. 「いつもと同じなんじゃ・・・ごふっ」 Poroの台詞は偶然?にも,私がはね飛ばしたデルゼイバーの左手が直撃した為に,最後まで発せられなかった. そして,私は振り返った. 「あら,まだ始まったばかりじゃない・・・帰るなんて駄目ですよ・・・」 (((ひっっ・・・))) あぁ,みんな引いているし・・・,今の私は私でないのよ~,判ってー. 「2人共,ここは俺に任せとくれ・・・こう見えてもつきあいは長いっす.固い信頼の絆で結ばれた真の力をお見せしよう」 「「え?(ほ,ホントかしら?)」」 Poroの以外にまともな台詞に今度は2人が引いた. だが,真相は以下の通りだ・・・ (可愛いAMIさんと,ちょっときつめだけどシャイな姉御と,お姉さんタイプのIXYさん.みんな捨てがたいもんな・・・.やはり保険はあるにこしたことないし) なんてヤツだ.悪意で思っていないだけに余計たちが悪い. 「姉御!!,俺との信頼はそんな程度で失われるって・・・ごはぁ」 「よからぬ事を考えているのが見え見えだよっ!!ったく,性根を叩き直してあげる!!」 ((た,確かにつきあい長いかして,考え判るのね・・・)) YUKIとMAIが思わずうなずく.だが, 「ちょっとうらやましいな・・・」 YUKIが私との空白の時間の長さを気にしてため息をつく. だが,そんな綺麗なシーンでもないのが悲しい所だ. 「な,何故判るんすか!!」 正直なPoro,嘘はつけない性格だ.それを知っているからみんな大抵の事は許してくれる.私以外は・・・ 「恩を仇で返しおって~」 「ま,まずい,ここはアレをやるしかないっ!!」 アレとは何か?その下準備として,Poroはワープゲートを利用して,大きな部屋の中央の高台に移動した. 「ふっ,逃げ場は無いよ・・・」 私も目がすわっている.あぁ,早く元に戻って~. 「・・・姉御,俺はわざとここに来たんすよ.逃げ場が無いのは姉御の方でさぁ・・・」 「・・・え?」 一瞬躊躇する私,その隙をPoroは見逃さなかった. 「ご免なすって.必殺メガクラッシュ!!」 「っっきゃゃぁぁ~~!!!!」 Poroは何を思ったか,私に突進してきて,両手でがっちり,私の身体を捕まえた. そして,そのまま高台から跳躍,後は自由落下・・・. 「わ,わぇぃゃ~,く,くろ,くろ,じょりじょりは嫌ぁ~」 Poroは落下中にヘルメットを半分ずらし,頬をすり寄せてきた. しかもそり残しいっぱい・・・. しかもその素顔は,どこぞの銀河鉄道の車掌さんみたくよく判らなかった. あぁ,ひ,ひどすぎる・・・こんなの拷問だよ・・・. だが,間一髪それはシールドを展開することで防ぐことができた. ありがとう,セイクリッドガード.あんなの喰らったら流石にステータス異常は免れないよね・・・. 「お,おにょれ,こひゃくなへいほう(抵抗)を・・・」 落下しながら顔をシールドで歪めつつPoroが叫ぶ. だが,さほど高くないので2人共すぐに地面に着弾した. 「ち,Thitoseさん,大丈夫?」 MAIが駆け寄る. 土煙の中,Poroがゆっくりと立ち上がった. 「むぅ,やはりメガクラッシュでは威力が足らんの・・・.ギガにするほどの場所も無かったが・・・」 そう,この技は高さに応じてメガ,ギガ,テラと名前が違う. つまらない技だが,威力は半端ではない. 単に一緒に落下するだけなら,鍛えた者にはさほど堪えないが,頬をすり寄せられては,大の大人も真っ青だ. ひげ剃りのCMに出られる状態の頬をすり寄せられては悶絶間違いなし. あぁ,頑張ったね私.最悪の状況は回避できて・・・. 「ち,ちーちゃん!!」 「・・・さて,お前のターンは終わった様だね・・・」 YUKIも駆け寄ってきたが,私はふらりと立ち上がった. 「あ,IXYさん」 MAIが何か喋った様だ,だが私の攻撃は止まらない. 「あらあら,みなさんどうしたんですか?・・きゃっ」 何時の間に来たのだろうか?IXYが私の側に寄ってきて・・・つまずいた・・・. 「「ひゃぅっ!!!」」 私の目の前に★がちらついた,正確には2人なのだが. 「「あ・・・」」 MAIとYUKIが呆然とする中,私とIXYの2人は頭を互いにぶつけて気を失った. 「これにて一件落着なり」 「「違うでしょ!!!」」 Poroの台詞にMAIとYUKIのフォトンブラスト連撃が炸裂. 結果,3人の気絶人を連れて帰るはめになった. 後は想像に任せます・・・. -終- |