■RQ2 |
今は昔,ALFAINと言うレイマーありけり. 彼の者,漆黒の鎧をまといて黄色き乙女を救う. そは我らが救世主なり. 最後の口伝はこう伝わっている. 「俺は悪夢を見ていた・・・と」 --後ラッピー歴195年:歴史学者ラピュエルの手記より-- ラッピークエスト2 ~そして伝説へ~ 出演者:ALFAIN,ラッピー(たくさん),以下略・・・ 監督,脚本,演出,その他全部:ひ・み・つ 「おはようございまきゅ.良くお休みになれましたきゃ?」 「ああ」 ALFAINが目を覚ますと,そこはいきなり宿のフロントだった. いつも使う宿なのだが,フロントで泊まると言うと,音楽がなったとたんに次の日になるのだ. しっかり体力は回復しているので,問題ないと言えばそうなのだが,最初はどうにも納得できなかった. だが,何時からだろうか?すっかり慣れきってしまって,今や早くて楽だとまで思っていた. 「おはよう.今日も早いできゅね」 「やあ,今日も良い天気だね」 外に出て,近隣住人と挨拶を交わすALFAIN. 既に常連の風格ができていた. (・・・・な,何なじんでるんだ俺は?・・・・大体,俺は何の為にここに・・・) 【シーン3.フレーム7.回想シーンフラッシュバック】 ・・・まだ心の準備が・・・きゅぴーん・・・気がつかれたか・・・貴男と釣り合わ・・・ お爺様・・・手込めに・・・手込めに・・・手込めに・・・ 「だわ~~!!!最後しつこいぞ~!!!」 ちっ,ばれたか・・・ 仕方ないので通常描写に戻そう. 「そうだよ,ラピ子探してとっととパイオニア2に戻らないと予選始まっちまう・・・」 (注:当人には悪いのですが,すでに始まってます) そうなのだ.村長宅で介抱されたALFAINは,ごにょごにょと色々あった挙げ句に,失踪したラピ子を探す羽目に陥っていた. 正直,捨て置いて逃げてしまっても良いとも言える. だが,それでは話が面白・・・こほん,失礼. 彼はいわゆる,良いヤツだったのだ. 「しかし・・・これまでにろくな情報入ってないんだよなぁ・・・」 ここ数日間に得た情報は以下の様になる. 「え?ぼったくる商店?そこの角のカント寺院の向こうだよ」 「この角笛を吹くといつでも来てくれるらしい」 「Ver2にはスーパー宝貝がでるとかでないとか?」 「8つの徳を極めし者世界を救う者なり」 「右上スミ星」 「イロイッカイズツ」 「最近,泉の精の様子がおかしいらしい」 「・・・これで一体どうしろと?」 なんか全く役に立たない情報ばかりな気がするALFAIN. だが,最後の情報だけ比較的マシに思えたので行ってみることにした. 道を聞いていたので,すんなり行くことができた. 「・・・ここか?」 そこはラッピー達が使っている水源であった. 「確か何か投げ込まないと駄目なんだよな・・・」 ALFAINは,水源に1メセタ投げ込んでみた. ・・・しばらくすると不気味な声が聞こえてきた. 「・・・・食い物・・・・食い物,入れて・・・」 「な,なんだぁ?」 ALFAINは再度メセタを投げてみた. 「・・・こんな価値の低いインフレ通貨なんぞいらぬわぁ~・・・」 閑話休題 このゲームのお金って意味あるの?と思えるくらい価値が低い. はっきりいってバランス悪いです.アイテムが高く売れすぎなんですね. お金がアイテムより価値の低い設定は世界として真実味がありません. 最終的に余るのは仕方ないですが,お金を頻繁に使う機会を設定すべきでしょうね. 「ちっ,仕方ないなぁ」 ALFAINは,携帯食料のカップ麺を投げ込んでみた. 「・・・むおーなつかしや~!!これはべビースターアトマイザーラーメン!!生で食べてもいける・・・」 「げげっ,貴様わ!!」 ぶくぶくと泉から現れ出でたるは・・・黒い球体Poroであった. 「・・・久しぶりっ」 「・・・なにやってんの?ここで」 ALFAINが驚くのも無理はない. Poroは掻い摘んで今までの出来事を話した. 「・・・いや~.と言うわけで,ノルマこなさないと帰してくれんのだ」 「・・・相変わらず波乱に満ちた生活してるな・・・」 Poroは,泉の精に(名前が違う?気にしてはいけません)地上に帰して欲しくば働けと言われたのである. 「でだ・・・我が友ALFAIN.ちいと相談があるのだが・・・」 「はぁ?」 「お主を親友と見込んでのことじゃ」 「何時から親友になったんだよ・・・まあ手伝ってやるけど」 PoroはALFAINに耳打ちする.何か良からぬことに間違いはないだろう. 「じゃ,頼むぞ?・・・店長~.でばんどすえ~」 「なんじゃ?ノルマできたのか?」 泉の精はどうやら支店制らしく,ここ以外にも各地に点在するらしい. 時代はコンビニエンスなのか? 「儂は今,カタンやってて忙しいんじゃ.7がでたので盗賊を何処に置こうか悩んでいる所なんじゃぞ」 どうやら知人の精霊達とボードゲームをやっている様である. 「店長,ここにいるALFAINは大のゲーマーです.きっと今やっているゲームの良いアドバイスを教えてくれるが吉なり」 意味不明な言葉を話しつつ,Poroは顔色を伺う. 「ふむ.では今の手持ち資源と状況はこうじゃ・・・お主ならどうする?」 (良し,かかった!!) Poroはニヤリとほくそ笑む. 「・・・うーん.ここは後の展開も考慮して,1:2もしくは1:3で,見た目相手が得する貿易を仕掛けて,それでこの先の道を延ばしてここの港を押さえるが良いかと・・・」 「ふむ,なるほど.じゃがそれでは他の連中に包囲されぬか?」 「どちらにせよ,最後まであまり時間はありません.最終的に飛び出た者は相手と貿易できるはずもなく,ここが限界点かと・・・」 (くくく,思った通りじゃ) Poroはゲーマー.というか人間の心理を上手く突いた作戦を見事に成功させていた. 人間,誰しも自分の得意な分野の会話に関しては,知らず知らずに熱く語り出す物である. 「・・・うむ,確かにそうじゃの.お主なかなかやるのう.ここで働いてみんか?」 「い,いや,それはそれで少し気になったりしますが,俺にはやることがあるんで」 「・・・はい.店長~.世の中ギブアンドテイク.有益な情報にはそれに見合った報酬を支払うが鉄則かと・・・」 Poroが,ついと間に割って入る. 「そうじゃの.お主に礼をせんといかんな.何が望みじゃ?大概なことはかなえてやるぞ?」 きゅぴーん!!!Poroの目がいつになく光り輝きALFAINを見つめる.それはもう穴が開くくらい. 「そうですね,俺はラピ子ってラッピーを探してるんで,その居場所を教えて貰えると嬉しいって・・・げげ」 「あうあう~」 Poroが目の幅涙を流しながら訴えかける. 「っと,ついでにこいつを解放してやってくれると助かるんですけど・・・」 「ふむ.まあ,あと少しでノルマも達成できたからおまけでつけてやろう」 「やったー,シャバにでられる~.ビバお日様.ビバまともな食い物~!!」 Poroは陸に降り立つとはしゃぎ回った. 「で,お主の件だが,これを見るが良い」 「これは?」 泉の精が指さす先には渦巻きがあった. 「これをくぐれば目的の場所に行ける」 「へー」 ALFAINが感心する. 「じゃあ俺はこれで・・・」 「ちょっと待てって・・・最後まで付き合え」 立ち去ろうとするPoroをALFAINが掴む. 「う,うぐぅ・・・」 「貴様が言うなぁ!!!一部の偏ったマニアどもに袋にされるぞ」 謎の台詞と共にPoroがALFAINに吹き飛ばされる. 「・・・ひ,非道いよぉ~」 「死ねっ!!!」 どきゃっと言う効果音の後,Poroが渦巻きに飲み込まれた. 「さて,俺も行くかな」 えいやっと渦に飛び込むALFAIN. 「・・・ぐはぁ,ごぼごぼ・・・く,くるしか~・・・」 ALFAINは予想以上に早い流れに翻弄されていた. そして伝説へ・・・ 「こんな伝説いやだ~!!」 -終- |