ファンタシースターオンライン 攻略

■お約束の展開
「覇~~!!!究極奥義っ閃光鍋指掴~」
 凄まじい気合いと共に,NAVEが片手で掴んだ大きな鍋は,何故か光を発し具材を取り込み,瞬く間に調理していった.
「おおっとぉ,NAVE選手.またも大技だ~.これは迫力満点だ~」
「フン,5本目以降の刃まで使わせるとはのう・・・だが,この太刀で貴様の命運も終わりじゃ・・・」
 HELLIONが演舞の様に華麗に舞う.既に太刀扱いなんて・・・包丁じゃないのかあっ!!
だが,剣舞と見まごうかその姿は,凄まじい速さで素材に切れ目を入れていく.
「おおっ,何故か炎が~!!!」
 観客が驚くのも無理はない.何故か炎が舞っているからである.
「おっと~,HELLION選手,どうやったか判りませんが,包丁から炎がでているぞ~!!これは切った素材に火も通る一石二鳥の技だぁ~!!!」
 ANIKIが解説する.
「な,なんでそんな非常識な技できんのよっ」
 NAVEが怒鳴るが,それはお互い様の様な気がする・・・
「5の太刀「紫電」,6の太刀「青嵐」を組み合わせた連携技・・・しかとその目に焼き付けるが良いぞ」
 摩擦熱(便利な言葉です・・)を起こし,一瞬の熱を素材に伝え,素材に引火した炎が見せる束の間の幻影・・・って,信じてないね?
そんなこと言わずに楽しんで観戦しましょう・・・
「まずはこれでどうだっ!!」
 NAVEが天空に鍋と皿を放り上げるや否や,審査員の前に綺麗に盛りつけられて振ってくる料理ありけり.
でで~んとできあがる洞窟五目炒め.
(五目とは?,ポイゾナ,オブ,ナル,ミルのリリーにナノドラゴの頭を使った見た瞬間御馳走様と言いたくなる末恐ろしい料理であった)
「こここ,これはピンチなんだよ,髪の毛が逆立ってるんだよ,妖気なんだよ・・・」
 HARMONYはそう言いつつ,ピンと跳ねた毛を必死に押さえていた.
「うわー,すごいもりつけ・・・私のは尻尾だけど,HARMONYさんのはお頭付きだねっ」
 KOTORAが箸で尻尾をちょろっとつまみ上げる・・・でろでろっと肉汁と言うか,体液と言うか,一応味の詰まったダシと言っておくのが皆様の為である.
「うむ,ではいただきまっする」
 味1号が合掌して箸をぱきっと口に挟んで割った.
割り箸を毎回替えるのはとても不経済なのであるが,どうやら前の料理の味が混ざらないようにとのポリシーの様である.
伊達に料理評論を買ってでたわけではないと言うことか,はたまた格好だけかは判らない.
「でも意外と良いにおいだな,流石に腹減ってきたし,食べてみるかな・・・」
 味2号もにおいにつられた様である.
「さあっ,食べてみてよ」
 NAVEが自信満々に言う.
「では,審査員の皆様どうぞ~」
 ANIKIも場を進めることを忘れていない.
「で,でもでも,これってやっぱり人として・・・はぎゅ・・」
「良いから喰うのだ」
 突然1号に料理を口に詰め込まれるHARMONY.
はもはもごくんと食べてしまった・・・
「う,美味い・・・」
 総督が震えている.
気のせいかみんな震えている・・・
「・・・お・・・おいし・・けど・・ちょっと・・・」
「・・そ,そうだ・・な・・・心なし・・・か・・・苦い・・・所も・・・」
「食が進むわい」
「うわー結構いけるね~」
 1号とKOTORA以外はしっかり麻痺していた.震える美味さとはまさにこれっ!!
余談であるが,2号は肌の色が緑になっている.
毒が当たった様だ.
当然ながら,KOTORAのスロットは2つ,3つ交換されている・・・オフレコだけど.
「フン,その程度,我には効かぬ.これを食せばの・・・」
 そう言ってHELLIONがパチンと指を鳴らすと,突然審査員のテーブルがちゃぶ台返しをくらい,料理も吹き飛んだ.
「な,なんばしょっとね!!」
 NAVEが謎の言葉で抗議する.
犯人はyamada3とNERVであった.
「これも主の命・・・ゆるされよ」
「あぁ,私は不幸な身の上・・・」
 2人とも自分の行為を正当化しようとしていた.
続いて新しいテーブルに新たな料理が並ぶ.
「おおっ!!!」
 審査員は息を呑んだ.
「こ,これは幻の古代帝国マジカルカナン伝承に出てくる宮廷料理ではっ!!」
 味1号が驚愕する.
「すげー嘘くさっ」
 NAVEが突っ込む.いやはや,全く以てその通りである・・・
「カナン,カナデイン,カナバインの3段活用・・・もはや語るまでもあるまい・・・」
 HELLIONが自慢する.
 綺麗に盛りつけられたカナ達は甲羅(外殻)を剥がすと食べる所がでてきた.
結局の所,メカで食べる所は人工筋肉の部分位しかないのである.
おっと,メカだからと言って機械部品しかないと考えるのは早計である.
かの汎用人型決戦兵器よろしく,シノワシリーズの様な柔軟な動きは,やはり筋肉に相当する部分がないと不可能である.
だが,そもそも稼働部分が少なく,浮遊しているこれらのメカは,ほとんど皆無と言って良いほどお肉はついてないので,あるいみ珍味と言うか,希少価値高いと言えた.
「すばらしひ!!3種の味が絶妙なハーモニーをカナデイン!!もうカナン(注:敵わない.関西地方で通用する方言)なあ~」
「目からビームっ!!」
「きゃあっ!!」
「ぐわちゃあ!!」
 yamada3がつまらない事をわめいたのでHELLIONがビームと叫ぶや否や,NERVの目からいきなり光線が放たれyamada3はカチカチ山のたぬきさんだ.
「おいしいね~」
 KOTORAのスロットチェンジは今回はないようだ.
「や,やっとしびれとれてきた・・・」
 HARMONYも戦線復帰した様である.
「ああ,刻の涙が見える・・・」
 味2号は視界がぼやけてきた・・・.
「チェスト~!!」
 今度はNAVEが鍋をスライサーの様に放り投げると,机の上の料理がまたもや吹き飛んだ.
「お,おにょれ,卑怯な真似を・・・」
 HELLIONが己の所行を棚上げして言う.
観客も大喜びであるが,ある意味もったいないオバケ物である.
食べ物は大切にしましょう.
「フン,これならどうだっ.パン親子丼さっ.極厚ミギカツも2度揚げしてちゃんと火は通っているよっ」
「おおっと~,これは巨大なカツの乗った親子丼だ~」
 ANIKIの解説が入る.
 NAVEはパンアームズ,ミギウム,ヒドゥームを使った親子丼を出してきた.
何時の間に作ったとか突っ込まないように,世の中知らない事の方が多いのだ.
秋子おばさんの中華鍋を使用したのはご愛敬である.
「これはまともかな・・・げげっ!!」
 HARMONYもこれならと頑張って食べてみる.
「おいしいね~」
 そう言いつつKOTORAからポトポトと外れ落ちるソケットアイテムを見て思わず箸が止まるHARMONY.
(でも,おいしいんだけど・・・・うぐぐぅ~)
 突如苦しみだすHARMONY.
意識が朦朧としてきた.
(HARMONYや・・・TAに帰っておいで・・・)
(あ,あれはおじいちゃん・・・おばあちゃんもいる・・・会うの久しぶり・・・あ,コードにエルもいる・・・みんな元気だったんだね・・・)
「・・・これ,しっかりせぬか・・・」
「う,うーん・・・」
 ぐったりしているHARMONYを1号が介抱していた.
「仕方ない,ここは王子様の接吻といくかの・・・む~~~~」
「・・・はっ,い,嫌~~~~!!!!」
 ぎりぎりの所で唇とんがり状態1号の魔手から逃れるHARMONY.
「むう,気がついたか」
 舌なめずりをする1号.こ,怖すぎ・・・
「ま,まだ逝くわけにはいかないよ」

「どうやら最終兵器を使わないと駄目な様だの・・・」
「それはこちらの台詞・・・」
 HELLIONとNAVEがお互いの実力を評価しつつ,奥の手を出す決意をした.
「yamada3よ.準備は良いな?」
「御意.そのためのNERVです・・・」
「え?なに?そのウケしか狙ってない様な台詞で人の人生左右しないでよお兄ちゃん!!」
 突如,NERVを背後から羽交い締めにするyamada3.
「お,お兄ちゃん!?」
「許せNERV.これが上手くいった暁には.耳にセンサーのついた,はわわ~と喋る掃除好きな妹ロボを与えてくれると御館様は申しておるのだ」
「私の代わりはいくらでもいるのね・・・って納得できるわけないでしょ~!!!」
 嗚呼,麗しき兄妹愛はここに来てとんでもない形に昇華された様である.
「セットアップ!!」
 パチンとHELLIONが指を鳴らすと,ステージの下からゴゴゴと音がして.丸い穴が周囲に開くと,トーテムポールの様な物体が幾つもせり出してきた.
「こ,これはボルオプト・・・しかも生じゃないの.あんたここを戦場にする気!?」
 NAVEが驚くのも無理はない.
「フン,ここは元々戦場ではないか.それに制御はきちんとするので安心せい」
 HELLIONが指さす先には他と色が違う赤い柱があり,そこがパカンと開いた.
「許せ,お前にはこいつを支える制御装置の役目を果たして貰う」
「か,勝手なこと言わないで~!!!そ,そうだ,あの手がまだあった・・・」
「よいしょっと.お前重たいぞ」
「う,うるさいわね,行くぞっ,ハイパーモード!!!」
 NERVが突然金色に輝きだし,yamada3が一瞬怯む.
「ぬわっ」
「逝けっ!!」
 ていやっとその隙に背負い投げで柱にyamada3を放り投げるNERV.
「これで私は安心ってうわわっ」
「俺だけで逝くものか・・・お前も一緒に連れて行く・・・」
 yamada3はすんでの所でNERVの腕を掴んで一緒に柱に吸い込まれていった.
「さらば忠臣達よ」
 HELLIONが感涙している.それはやっと腐れ縁が切れる喜びからかどうかは判らない.
「ちぃ,感傷につきあってる暇はない.こちらも行くぞっ.とおっ!!」
 NAVEが叫んでジャンプした地点に向かって土煙を上げて走り来る集団ありけり.
グラスアサッシンとクリムゾンアサッシン達である.
何処から湧いて来たのだろうか・・・通ってくる途中に観客の一部から悲鳴が聞こえたが,カメラはそちらを向いていなかった.
いや,向けられなかったと言うべきか・・・.マスコミの情報操作はこういう部分でも行われるのだっ!!
これを読んでいるよい子の諸君,ニュースや新聞を鵜呑みにするだけではタダの群衆と化してしまうぞ.もっと真実を追究する目を養うのだっ!!.
「ふん,ボルオプトのしゃぶしゃぶ.略してボルしゃぶの味に勝てると思うな?」
「子持ちアサッシンの躍り食いの味に感激すんなよっ!!」
 双方飛んでもない最終料理である.
「とんでもない事態になってきましたっ.果たして勝負の行方はどうなるのか?」
 ANIKIも興奮状態である.
(げっげっげ・・・貴様等.俺様のことをすっかり忘れているようだなアァァァ~~~~!!!既に昇天した我が同朋達よ・・我に元気を分けてくれぇぇぇ~~~)
 少し離れた所でうごめく物体が・・・こ,こやつは・・・
しかも素材の残りから僅かな気というか,障気が集まってきている.

「やれやれ,7ちゃん.怒られちゃったね」
「うるさい,生だから撮り直しないからどうしようもないだろ・・・」
 やっとのこと事態を把握した一行だが,どうしようもないので,観戦するべく舞台側までやって来た7thとZai-onと伊吹.
どちらにせよ,この状況ではアトラクションを割り込ませる状況などできる余地もなかったようであるが.
「あ,あれはレミングス自爆の法則っ!!」
 アサッシン達になぎ倒されて次々と封神されていく観客を見てZai-onが言う.
「変な解説入れるなっ!!」
 7thに突っ込まれるが,Zai-onは元々うんちく好きなので,なにかとわけの判らないことを解説したくなるたちなのである.
「あ,危ないっ!!」
 そう言って伊吹が駆け出す.
伊吹が見つめる先には例のゲゲゲのナル吉が今まさに何かをしようとしていた.
「喰らえや~~MAX元気玉!!(メギド○オン♪)」
「「な,なにぃ!?」」
「だ,駄目~!!!」

-終-