■レコンキスタ前編 |
(・・・きゅぴ.パスファインダーよりアルリーダーへ緊急通信.敵影補足・・・!?きゅ?敵影を見失いました!!) 森外れの木々もまばらな丘陵地帯.哨戒部隊を率いていた先頭のラッピーが,哨戒範囲に友軍以外の反応をキャッチした. と言うと大層であるが,とどのつまりは視界に入った物体の色が黄色か青でなければ,おおよそ敵なのである. 鳥の目なので,大した識別能力があるわけもなく(一部例外はあります)と言うと失礼ですが・・・ 仮にも誇りを持って任務にあたっているこのラッピーには悪いが,相手が悪すぎた様です. (・・・きゅ?敵は何処?) 「・・・くっくっく.所詮はトリ.真上からの攻撃には脆い物よのう・・・」 (!?0時方向からですぴっ!!) 哀れなラッピーの頭上から,銃を突き付ける黒い物体ありけり. ゴーグル越しの視線は,ラッピーの四肢を萎縮させるに十分な威圧感を持っており,その口から死刑宣告の如き言葉が漏れる・・・ 「ついでに真下も脆い様だの」 (きょ!?) ラッピーは捕獲用の網に身体ごとすくわれた. 「まずは1羽と・・・しかし,ラッピーがこの様な通信装備を持っているとは知らなんだわい」 黒い物体ことPoroは,ラッピーが使用していたと思われる通信装置を見て驚いた. パイオニア2で使っている最新装備に匹敵する物である. 民間用ではあるが. (よもやとは思うが・・・しばらく泳がせてみるかの・・・) 人間,ここまで豹変するのか!?やはり食に関しては人間凄まじい執念を発揮する様である. ちょっと怖い人になっている様ですが,何か食べれば元に戻るでしょう. そうこうしている間に,Poroはバックパックから何かを取り出すとスイッチを入れた. そこからさほど離れていない地点での会話・・・ 「なあ,ホントにこっち行くの?止めない?」 ALFAINは仲間に言ってみたが,やはり無駄な様である. (・・・前の一件があるからなぁ.連絡したとは言え,油断はできない・・・) くだんの一件以来,ALFAINはラッピー達に情報をリークしていた. だが,自分のチームが森を引いてしまった手前,行かない訳にも行かず,ただただ,ラッピー達に出会わない様に祈っていた. 「お前,まだ気にしてるのか?そうは言っても仕方ないだろうに」 REDが諭す様に言う. 「アルさんは優しいんだね」 AMIはそう言うが,足取りは軽かった. まあ,ラッピーだけを助ける義理もないと言えばそうなのだが. 「嗚呼,運命,これも運命.世界率の流れには逆らえないなり・・・」 Czmがなにやら1人で悟っている・・・律の字が間違っているのは悟っていない様である. 「若い,若いのう,お主.生きていくと言うことは何かを犠牲にだなぁ・・・」 と,これはTAISUKE. 何故か今日はみんな悟ってます. (くっ,やはり人間”喰う寝る遊ぶ”の3大欲求には勝てないのかっ!!) 最後の良心ALFAIN,君の勇姿はグリーン○ースの人達にも絶賛されることでしょう・・・ 兎に角,なんとかしたいと画策するも虚しく,Poroと合流する事になった. (・・・きゅぴーん!!哨戒部隊乙の2より緊急打電あり.ワレ敵発見セリ・・・ですが,途中で通信途絶しましたきゅ) 本部?の管制室にてオペレーターのラッピー(♀)が振り返ってアルラッピーに報告する. やはり,オペレーターは女性に限ります. (むぅ,同士の情報は正しかったか・・・博士は何時到着する?) (・・・1度寝ると到着すると思われまきゅ) アルラッピーは卓上に広げた戦術マップ(と言っても可愛い広さではありますが)を睨んで,最終防衛ラインの絞り込みに入った. 所は変わり,とある洞窟のお話. 「あの・・・やっぱりやめません?恥ずかしくないです?」 「何を言ってるんだよ.折角応援に来たんだから,格好良く登場しないと・・・」 RinoaはONPUに話すが,ONPUの決意は固い. 「でさぁ,やっぱりここは”Fi-naとその手下達”ってので決まりだね」 Fi-naがさりげなくチーム名を宣言する. 「何言ってんの?”ONPU軍団”に決まってるやん」 「だから・・・そいうのじゃなくて,こう,えっとですね,さりげなく助けて・・・」 Rinoaの抗議は誰も聞いていない. 「よもや,この前の貸しを忘れたわけではあるまいね・・・」 「ふふん.借りの間違いでしょ?」 ゴゴゴゴーっと言う効果音と共に,場面は緊迫する. 一体,何をしているかと言うと,救援部隊としての役目が回って来たので現場に来たのはいいが,登場時の決め台詞でもめていたのである. いやぁ,平和なのねと・・・ (こ,ここで引いては駄目よ.Rinoa頑張るっ!!IXYさん・・・私も貴女の様な立派なフォマールになります・・・) 瞑想,もとい,妄想モードに入るRinoa. 夢見る年頃なのでしょう. と,そのとき・・・ 「・・・おい.お前達何しに来たんだ・・・?」 突然現れた瀕死の男によって3人は現実に返る. 「「おっちゃん誰?」」 二人は口論をやめて聞いてみた. 「・・・お前達をあてにした愚か者だよ・・・」 男の背後,少し離れた所には,死屍累々と化した人達が数人. 「あ,あれ?全滅かな?」 ONPUもようやく事態を把握した様だ. 「え?なに?もう終わったの?これから登場って時にぃ」 Fi-na,それは何か違うよ・・・ 「はぁ,すいません,パイオニア2にはお送りしますので」 Rinoaが一応責任のかけらを果たそうとする. 「もうお前達等あてにせん!!,別の救助部隊がここに来る手筈だ・・・」 「「「す,すいません~」」」 3人は,流石に悪いと思ったので素直に謝った. いやはや,難儀なことですが,これでめげる3人ではありません. 次回はきっと活躍してくれるでしょう・・・ 「ちぃ,全く誰がこんなこと予想したって言うんだよ・・・」 REDは自分の迂闊さを呪ったが,今は自分の身を守る方が先決であった. (みんな・・・無事だと良いが・・・) 夕刻に入る頃,ラッピーらしき一群を発見し,捕獲行動に入った面々だが,見事に陽動され,分断されるという愚を犯してしまった. 所詮はトリと,侮っていたことも災いし,一行は易々と罠にはまったのである. (きゅきゅ!!赤発見!!抹殺!滅殺!きゅいー) ラッピー達はなんとゲリラ戦を仕掛けて来たのである. 各個に分断した敵を間断ない攻撃にて心身共に疲労させて仕留める・・・これはどう考えてもただのトリではできない. 「くそっ!!加○装置!!!」 奥歯をぎりりと噛みしめて,気持ち3倍の早さで脱兎の如く逃げ出すRED. ラッピー達の攻撃で簡単にやられはしないが,流石に疲れて来たので仲間と合流すべく逃げることとした. -終- |