■緑の下の力持ち |
いきなりだが,場面はクライマックスである. 「ひとーつ,人の世情けはあれど」 「ふたつ,不幸は大バーゲン」 「みっつ,身ひとつ身体が資本」 (ギョギョ?) 突如響き渡る口上に辺りを見回すモンスター達. (ギャース!!!) パースが3カメに切り替わり,背後の丘が映し出される. ザシャァっと,丘の上に立つ人影3つ・・・ 「ONPU!」 「Fi-na!」 「Rinoa!」 「「「お呼びとあらば即参上!!」」」(チーム名募集中?) ばばーんと決めポーズを取る3人,ですが,この頃にはモンスターももう見ていません. (シャギャー) ばしんばしんとハンター達を叩くモンスター達. 「「「・・・」」」 3人はちょっと傷つきました. 「許せないっ!!.2人とも,決めるわよ!!」 Rinoaが許せないのは,ハンター達がやられている事に対してなのか,口上を最後まで聞いて貰えなかったことなのかは定かではない. 「「りょ,了解・・・」 いまいち気乗りしないONPUとFi-naですが,そそくさと準備をする. 「喰らいなさいっ!!」 Rinoaが麻痺効果を持つハンドガンを乱射する. 「ぐはぁっ」 一部モンスターでない者にも当たった様ですが・・・ 「拡散インフェルノズーカァ.セットッ!!」 インフェルノバズーカを改造して左右に2つくっつくようにした物を,ONPUとFi-naが下で土台となって支えているのだ. バズーカのバを発音しない所が通です. 「「くうっ,毎度のことながら重い・・・」」 ご苦労様です. 仕上げとして,Rinoaがさっきのハンドガンを取り付ける. 撃つ役目はRinoaの様である. 「ターゲットスコープオープン!!電影クロスゲージ明度20!!」 普通,ここまで時間かかると全然実用的でないのだが,事前にしっかり動きを止めているので可能な芸当である. 的にとってはある意味,非道いかもしれません,はい. 「え,エネルギー充填120%ぉ~」 「方位修正誤差+0.2・・・」 2人も足をぷるぷるさせながら耐えています. 「撃(て)ーっ!!」 Rinoaがトリガーを引くと,通常単発で飛ぶ玉は,複数に分裂し,所構わずに着弾した. なら先程の照準合わせは一体?というツッコミをしてはいけません. あれは儀式なのです. ズババーンと放たれた炎の塊は,モンスターを一網打尽にした. 「ふぅ,大分サマになって来たわね・・・」 Rinoaが一息ついて,辺りを見渡す. 「・・・う,た,助けて・・・」 「大丈夫か?」 「今助けるよ」 ONPUとFi-naが巻き添え?か判らないが,倒れているハンターズの面々を助け出す. ((・・・やはり,あれは失敗だったね・・・)) Rinoaの豹変ぶりに2人は嘆息した. 話は遡り,数日前・・・ 「やっぱり7人のレイマーだって!!」 「いや,荒野のハンターのが格好いいって」 ONPUとFi-naは登場時のポーズや台詞で議論していた. 「「どっちが良いと思う?」」 Rinoaに聞く2人. 「え,えっと・・・両方知らないです・・・」 「「なにぃ~!!!」」 「そ,そんな,夕日をバックに7人並んで歩くとことかすげく格好いいやん~」 「いやいや,やはり常人では扱えない長さのWセイバー・バントラインスペシャルを振り回す伝説のハンターにあやかって,こっちも特殊装備を・・・」 Rinoaは少し引いています. そりゃそうでしょう.得てしてマニアな会話は話している当人は良いとして,聞いてる方は,内容しらないと対応に困って浮くのが普通である. だが,仮にもお助けマンを目指すとあれば,これくらい知っておく必要があるという2人の勝手な思いこみの元,すり込み作業が始まったのである. その夜・・・ (う,う~ん・・・た,助けて,わ,私はそんなんじゃないです・・・) 寝返りをうつRinoa.悪い夢でも見ているのでしょうか? 「はっ!!」 がばっと起きるRinoa. 両隣にはONPUとFi-naが寝ている. 「・・・どうしちゃったのかな?いつもこんなことないのに・・・」 しばらくして再度眠りに落ちるRinoa. そして,見計らった様にむくりと起きあがる影が2つ・・・ 「・・・そして,レイマーはお互いの力を試すべく,いきなり攻撃を仕掛けて・・・」 「人質を盾にハンターを脅すボス.だがそれもそこまででした・・・」 なんと,2人は,それぞれの本を読んで睡眠学習的に刷り込み作業をしていたのである. ひー,こ,怖すぎ・・・ そして,Rinoaが悪夢に目が覚めると寝たふりをして,ということを繰り返したのである その結果・・・冒頭の様な突貫すっ飛びフォマールが完成したのである.合掌・・・ Rinoaが携行している図書『超電磁大全』『エルドランの秘密』によると,大業をかけるときは相手の動きを止めるが上策となっている. これに従い,バインド効果で足止めした敵を範囲兵器で一網打尽にするという作戦が展開された. 結果は上々で,時折,巻き添えを喰うハンターもいたが,結果的にダントツの救出スコアをたたき出していた. これからも頑張ってくれることでしょう・・・ 「おろ?あのディスクどこやったかの・・・」 HELLIONが,せんべいを食べながら今し方開けたGDケースの中に,目的の物と違うディスクが入っているのを見て呟いた. 「あ・・・」 ふと思い出したHELLION. 「そういえば,あやつのドライブの中じゃった・・・」 入れるケースが見つからずに,yamada3のドライブにテンポラリとして入れておいたのである. さぁ,ここの読者ならほぼ間違いなく経験あるでしょう・・・ついついケースに戻さずゲームの電源切って,その後必死に探して見つからなくて,蓋開けたらはまっていたというオチを・・・ ま,そういうことです. 「仕方ない,呼び出すかの」 ピポパっと通信を開くHELLION. ちょうどこの前の2人の場面にシンクロする. 結果は次回以降のお楽しみ~. -終- |