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■レコンキスタ後編
「あじゃー,やべーよこれわ・・・」
「しっ,黙れってば.見つかってしまうだろ・・・」
 前回の場面と所は変われど,同じ森林地帯のとある地点・・・
TAISUKEとCzmが追撃部隊から隠れている様である.
(・・・きゅ?)
(・・・きゅいきゅい?・・・)
(くるっく〜・・・)
 ラッピー達が何やら会話してますが,何のことだかさっぱりです.
そろそろ・・・っと.ぱきっ・・・
「「げっ!!」」
 二人は足下で木の枝を踏む音を聞いた.
下を見ると,同時に同じ枝を踏んでいた・・・
((・・・))
 二人は責任をなすりつけるわけにもいかず,ラッピー達の気配を探った.
(きゅい?)
(きゅきゅ・・・?)
 ラッピー達が気づいた様である.
(や,やべ・・・)
 TAISUKEが冷や汗をかく.
「・・・きゅ,きゅ,きゅきゅいー・・・きゅっきゅきゅっきゅきゅっきゅきゅー」
 何を始めたかと思えばCzm.ラッピーの鳴き真似をし始めた.
大丈夫なのでしょうか?
(・・・きゅきゅい?)
「・・・っきゃきゅきゅ・・・きゅぴぃ?」
(きゅるきゅる,きゅいきゅい・・)

 以下略(描写するほうも大変なので割愛させて頂きます)

 驚くべきことに,ラッピー達はその場を通り過ぎた.
「ふぅ」
「おいおい,一体これって・・・」
 TAISUKEが驚くのも無理はない.
「ああ,こんなこともあろうかと会話できる様に睡眠学習してたのさ」
 Czmがしれっと言う.っていうか,何処にそんなラッピーのプログラムが売ってるのでしょうか?
「まじかい!?」
「最初はうなされて眠るどころではなかったがなー,ははは.世の中資格の時代だぜっ」
 爽やかに笑うCzm.
なんか違うよ〜.
浪速ともあれ,この場は凌いだ様である.

「・・・可愛い〜,もこもこしてる,きゃは!!」
(きゅるぴー,助けてきゅー!!)
 ここはラッピーの本陣は捕虜収容所(と勝手に決めているだけ)である.
AMIがラッピーを抱いてふわふわのもこもこを堪能していた.
何故ここにいるのか?はぐれて早々に捕まったAMIはおとなしく連行されたのである,が・・・
(きゃい・・・きゅー,もう駄目だきゅ・・・)
 これで息絶えた(注:のびたと言う意味です)ラッピーは何羽目だろうか?
「あれ?ぐったりしちゃった,もう寝たの?早いなー」
 AMIは次の獲物を探すべく視線を走らせた.
(・・・・ひっ!!!)
 一斉に身を引くラッピー達.
(・・・リーダー!!このままでは・・・)
 アルラッピーに指示を仰ぐ面々.
だが,アルラッピーは殺生をする気はなかったのと,暴れられてもやっかいなので,AMIを好きにさせていた.
(・・・博士.これで良いのだな?・・・)
アルラッピーは累々と横たわる仲間達を見てひきつっていた.

 そして夜が明ける・・・
朝の光は希望の如く言われるが,別に夜が不幸を呼ぶわけではない.
自分で判断,識別できない物は棚上げしてしまう人間の愚かな思考が産んだ思いこみである.
大抵,光は善,闇は悪とされてきた.
ある意味非常に判りやすい図式と言える.
 普段からそういう思考に慣れていると,なかなか逆の判断はできない物である.
人間は,人間であるが故に,人間を越えた思考はできない.
オリジナルと言う言葉の真意をご存じだろうか?
人間の思考で判断すれば,真にオリジナルと言う物は存在しない.
最初の物と言う意味では正しいと言える.
 だが,他と違う物と言う判断は安易にできないのである.
何故か?他と違うという時点で,既に,他の何かとの比較でその事象が存在するからである.
比較が発生する時点で,完全に独立した物との判断は難しくなる.
結局は,自分の知識で同一でない部分を選び出して創造したことだからである.
何も知らない所から生み出したわけではない点がポイントである.
今までにない物と言うのは,所詮,人間の知識の限界を超えては生まれないのである.
完全なオリジナルとは,他に比較対象がいない物を言うのだろうか?
 とはいえ,このような話はここでは意味をなさない.
今を必死に生きている物達は,事象がどうの,因果がどうの等考える必要もない,いや,その考えすら起きない.
その日を生きていくことが大切であり,使命なのである.
(・・・うむ,夜が明けたか・・・)
 アルラッピーが何かを決意したように目を光らせた.
(・・・総員.オペレーションレコンキスタ発動する.各員の奮闘を祈る!!)
(!!!きゅいきゅい!!!)
(きゅー,きゅきゅ!!)
 ラッピー達は興奮し,各自持ち場へと散っていった.
 場所は変わり,捕虜収容所.
「・・・ふぁ〜あ・・・.あれ?みんないない.何処行ったのかな?」
 AMIが目を覚ますと,周りにラッピーは1羽もいなくなっていた.
「やれやれ,誰がこんなこと始めたのやら・・・」
 それは何に対しての言葉だったのだろうか?
当人以外に知る術はないが,独り言とは,たまに意志とは無関係の本質をついた物がでると言う・・・

(斉射3連きゅ!!突撃部隊の援護射撃の後,左右に展開.両翼からの横槍を許すなきゅ!!)
(きゅー!!きゅきゅー!!)
 ここは戦場.
いつもなら,ハンター達も安心して通る森林地帯が,今や修羅場と化していた.
「ぐわっ・・・」
「おいっしっかりしろ!!傷は・・・ってこれバインドエフェクトじゃないか」
 森を担当して,かつ安易にラッピー達を狙ったハンター達は,今や全滅の憂き目にあっていた.
とはいえ,ラッピー達が使っているのは何故かバインド効果を持つ殺傷力の無い銃(麻痺銃)であり,死者がでたと言うわけではなかった.
だが,一体誰が,ラッピー達にこの様なことができると予想できたであろうか?
 その油断と,巧妙な包囲戦術の前に,今や降参もやむなしと言った所である.
(きゅきゅ?)
 じゃきーんと銃を突きつけるラッピーの1羽.
額に触覚の様な長い毛が伸びている所を見ると,どうやらエースの様である.
生意気に,頬に縫い傷まである・・・
「・・・参った,参った,お手上げだよ・・・」
 中央にまとめられたハンター達はもはや戦える状態ではなかった.
また,アンドロイド達もしっかり捕らわれていた.
麻痺こそしない物の,その優れた感知能力を逆手に取られたのである.
各所に仕掛けられたトラップをおとりに,巧みに別の電撃を仕掛けられたのである.
優れた能力は過信を産む.
ましてや,相手はラッピーだ.誰が用心するだろうか?
こうして,前線は一応の終焉を迎えつつあるその頃・・・
(きゅ・・貴様何者?)
 アルラッピーは,オペレータのラッピーを後ろから拘束している異形のラッピーを見て言った.
(くるっくー)
 そのラッピーはよく見ると表面にリベットが見受けられた.
アルラッピーでなければ識別できない所がトリ目の悲しさである.
見た目,どう見ても怪しさ爆発のニセラッピーは,お約束の目つきが悪い所まで完璧である.
「それは私が説明しよう・・・」
(貴様!!!一体どうやってここが?・・・)
 現れたのはPoro.
もうおわかりかと思うが,ニセラッピーロボを使って探りを入れていたのである.
前回相まみえた時にアルラッピーのデータを取っていたのだ.
やはり転んでも只では起きない様である.
(・・・お前の仲間達は既に我が手中にある・・・無駄な抵抗は止めろ)
「くっくっく・・・この翻訳機も良い調子だのう,流石マニアな博士だけのことはある」
 Poroは例のラッピーマニアで有名な博士に頼んで小型翻訳機を耳につけていた.
「リーダーか?Czmか?だが,我が使命の前に,些細な犠牲は無意味.無意味なり・・・」
 これほんとにPoro?人格変わってます・・・
他のハンター達はこのまま逝ってしまうのでしょうか?
「・・・こらこら,それくらいでやめんかの?そんなことの為に翻訳機やった訳ではないぞ」
「むぅ,貴様は博士・・・」
(間に合ったか?)
 安堵するアルラッピー.
つと後方から姿を現したのはラッピーマニアの博士(以下ラッピー博士)
「やはり,貴様がこやつらを援助しておったのだの?」
「全く,こんなふわふわのもこもこを取って喰うとは言語道断,斉藤道三・・・」
「おい,・・・時代設定違う意味不明なこと言わぬ方がいいぞ・・・」
 どうやら,ラッピー達に火器を始めとする諸物資を融通していたのはラッピー博士の様である.
「だが,今の我を止めることは誰にもできぬ・・・」
 山の様に威圧感のあるPoro,毎日の粗食が彼をここまでの亡者にしてしまったのでしょうか?
「じゃが,無抵抗な物を盾に取るほど落ちぶれてはおるまい?こやつを勝負してみんか?」
 博士は,後ろから同じ様なラッピーロボを取り出した.
「断る・・・」
 Poroが言う.
「こやつと勝負してみんか?」
「断る・・・」
「こやつと勝負してみんか?」
「断・・・っておい,こら何故そうなる!!」
「おおう,言い忘れておったが,ここは断るとフラグが立たんので,無限ループするのじゃ」
 こ,こらこら,世界の事象を勝手に制御するなぁ〜.

(注:この技(スキル)は大変危険なので,小説を書こうとしている方は真似をしないでください!!!)

「ちぃ,判ったわい,受けてたとう」
 Poroが観念した.ていうか,仕方ないのだけどね・・・
「いけっ,ラッピーロボG!!,気力を上げていきなり必殺技じゃっ!!」
 きゅいーんと目が光るラッピーロボG.
「なにぃ,いきなりとは卑怯なっ.行けっラッピーロボ.ひらめきだっ!!」
 えーと,この場面は恐らく多くの方が想像できると思いますので割愛します・・・
(判らない方が幸せかもしれません・・・)

 それからしばらく経った頃,現場にたどり着く人影ありけり.
「なにぃっ!!」
 その人REDはそう叫ぶしかなかった.
大抵こう叫ぶのは,自分の意志とは反する状況が起こった場合や,必殺技と言って出したのに効かなかった場合等に起こる.
この場合は前者なのだが.
「ぐふぅ,まだだ,まだ逝くわけにはいかんのだ・・・」
 Poroがへろへろになって立っていた.
側にはREDには判らないが,ラッピーロボX2の残骸がたくさん.
どうやら両者爆発してPoroを巻き込んだ様だ.
「むぅ,流石よ,あの2体の合体攻撃でも生きておるとは・・・」
 ラッピー博士は感心して言う.
「我だけでは逝かぬ,貴様を喰って最後の晩餐にしてくれるわー!!!」
 Poroがアルラッピーの方に向かって突進した.
最後の力を振り絞っての行動(本能)である.ひー.
(その意気や敵ながら見事.だが我も責任ある身,逝くわけにはいかぬ)
アルラッピーはひょいと横にかわした.
「・・・きょーーーーー」
 なんと,Poroはラッピーの使っている水源にぽちゃん,もとい,ぼちゃんと落ちた.
まあ,自然の地形を利用しただけの本拠である.人の要塞の様に考えてはいけません.
「・・・南無・・・成仏しろよ・・・」
 REDが思わず手を合わせる.
だが,そのとき・・・水面が光って何かが現れた.
「お前の落としたのは金のPoroか?銀のPoroか?」
「ぐはぁ!!」
 REDが思わずのけぞる.
これは夢か幻か?
(いえ,違います)
 アルラッピーは平然と答える.どうやら現実の様である.
「ほほぅ,よもやこの様な物に会えるとはの」
 博士も興味深く見ている.
「・・・何故驚かんのだー」
 REDは錯乱寸前.SUNチェック失敗か?
「金なら1体,銀なら5体になるぞよ?」
 水からでたラッピーの精(仮称)はサービス満点の様です.
だが,みないらないと言うので,次は・・・
「では,黒いPoroか?白いPoroか?」
 見た目はいつものPoroが2体.だが,色が違った.
(白です!!!)
 アルラッピーが間髪入れずに言う.
途端に黒Poroが悲鳴をあげる.
「どわ,わわあわ〜,こらこら,俺が本物だー!!」
 どうやら正気に戻った様ですが・・・
「では返すぞよ」
 ラッピーの精はぽいっと白Poroを放り出すと水の中に入って行った・
「がば,ごぼぉ・・・ひー姉御〜・・ぶくぶく・・・」
 黒Poroは沈んで行ってしまった.
「リーダー.みんなの所に帰ろう!!」
 白Poroは爽やかにREDに言う.
なんか完全に別人です.
「あ,ああ,そうだな・・・」
 REDは,兎に角見なかったことにしようと思い,この際性格良くなったのならまあ良いかとか思っていた.
(博士・・・後は任せていいのだな?)
「ああ,停戦は儂が責任を持って調停してやろう」
 その後,ラッピー歴0080.パイオニア2とラッピー達の間に終戦協定と相互不可侵条約が結ばれた.
実は,ラッピーは撃っても撃っても死んだと言う報告が皆無であった.
何度転んでも起きあがるラッピー達を倒すのが,無駄な労力と判ったことも大きな要因の1つである.
しかし,見た目が可愛いというだけで特別に保護されるのは,何か間違っているのだが,世の中そんな物である・・・
(俺たちはどうなんだー!!!:昇天した他の森モンスター達の声を中継しました)
南無〜.

−終−