■アルラッピーと仲間達 |
-惨劇1時間前- 「よぉ,腹減ってただろ?食パン持ってきたぞ」 (同士アル!.いつもすまないな) 答えた相手は青いラッピーこと,アルラッピーだった. 心の優しいALFAINは,動物を可愛がるのが好きだったのである. ラグオルにて,アルラッピーと黄色い仲間達を一目で気に入ったALFAINは,いつの間にか餌を与える様になっていた. ALFAINは,鳥の餌は食パンちぎってあげるのが一番だよなと思いつつ,平和な一時を過ごしていた. -惨劇2時間前- 「んーとね,鳥が食べたい・・・」 「じゃあ,お料理は鳥をメインにしましょうね・・・」 IZUMIの申し出をIXYは快く引き受けた. 今日はIZUMIの誕生日.みんなでお祝いしようと言うことになったのだ. え?先が読めたって?ふっふっふ,そう言わずに読んでみなさいって,多分その通りだから・・・ 「あら,残念・・・お肉屋さん,今は品切れですって・・・」 オンラインの端末にて注文しようとしたところ,希望の品は無いことが判明. 長期航海の宇宙船には,こういう日常的な施設も必要である. パイオニア2周辺に浮かぶ小型艦は,こういった専用艦も含まれているのだ. 「じゃあ仕方ないな,他のに・・・」 REDが嫌な気配を感じて機先を制しようとしたのだが・・・ 「「嫌なの.鳥が食べたい,鳥が食べたいの・・・・」」 IZUMIと一緒に,いつの間にかAMIまで合唱していた. 「お任せアレ.我が輩,鳥のいる所を知っているでごわす」 Poroがずずいと前に出て,AMIにちらりと視線を向ける.もちろん相手は気づきもしないが. ((おひおひ・・・このパターンって,ろくなことないんだよな・・・)) REDとCzmが心話で語り合った. 「あら,そうなんですか?」 IXYはそう言いつつ,冒険用のバックパックをよいしょと持ち出す.現在の会話時点で何故それを用意できるかは謎だ. 「「わーい,養殖じゃない地鶏だぁ~」」 IZUMIとAMIは大喜びだ. ((わーい,やっぱり巻き添え・・・)) REDとCzmはがっくりだ. 「では早速行きやしょう」 Poroの旅支度を見て,いつか亡き者にしないとなと,堅く心に誓う2人だった・・・ -惨劇30分前- 「なぁ,飾り付けの小道具こんなものかな?」 「そうね,後はプレゼント買ってかないとね」 TAISUKEの問いに,Machildaが答える. 「なぁなぁ,あれなんてどうかな?」 ONPUが指さす先には,1/12パーフェクトグレード・モタビアン(寒冷地仕様)の模型があった. 「それ,自分が欲しいだけでしょ・・・」 「だな,さっさと帰ろう」 2人の素っ気ない返事に,ONPUはしばらくガラス越しにじっと張り付いていた. (この耐寒装備のディテールが良いんだよなぁ・・・) -惨劇10分後- 「うーん,もう食べられないよ・・・」 「うぅ,頭痛い・・・」 (行かなくていいのかな・・・) Thitoseの部屋で,YUKIとThitoseの2人は,アンティークなコタツを囲んで眠りこけていた・・・ MAIは起きていたが,2人が気持ちよさそうに寝ているのでじっと待っていた. 室温は何度にも調節できるので.体験しているの間に寝てしまったといったところだ. -惨劇開始- (ぴきゅっ!!) ラッピーの1羽(?)が警報を発した. 「ん?どうした?」 ALFAINは戦慄した.Poroを先頭にこちらに向かってくる集団ありけり. 「やぁ,我らが先遣隊あるふぁいん君.獲物を確保してくれた様だね」 「な,なんだって!!」 (ど,同士アル・・・一体これはっ!!) 動揺するALとアル,ほくそ笑むPoro. 一斉に騒ぎ出すラッピー達・・・.料理の準備を始めるその他諸々・・・ 「ち,違うんだ,き,聞いてくれっ!!俺はお前達を食べる為にきたん・・・」 「だよ.哀れな獲物諸君.チミ達は我らが供物となるのだ~」 ALFAINの言い訳は,Poroに見事にカットインされた. 邪気ーんとメテオスマッシュを構えるPoro. 「対ラッピー用特殊カートリッジ,インストール!!」 Poroが何やら特殊なエネルギーカートリッジをセットする. 「や,やめろ.Poroっ,貴様の血は何色だぁー!!」 「無駄だよ,ある君・・・今は我のカットイン中だよ?誰も手出しはできんのだ・・・」 カットインとは?よくある合体や必殺技の一連のシーンが誰にも邪魔されないというお約束の無敵時間だ. ちなみに,BGMがいつもと違う場合,この限りではない. 「メテオスマッシュ.ファイナルアタック!!」 しゅいーんという収束音と共に,銃口に光が集まる. 一斉に迸る光の束は過たず全てのラッピーを直撃した. (ど,同士アル・・・我が生まれ変わった暁には貴様を絶対デゾリス送りに・・・) ぴくぴくと震えるアルラッピー.ここでALFAINの心に火がついた. 「お,俺は今日,この日程,貴様を憎んだことはない・・・」 「ふふん.食通魔人の私に勝てるとで・・あれ?」 Poroの両サイドに立ち,がっちり押さえつける男2人ありけり. 「「Poro,許せ,ラッピーの混乱攻撃を喰らったんだ」」 REDとCzmだった.ところで,ラッピーって混乱攻撃あったの? 「うおっ,な,なにするですか!?私はただ,みんなの為にもって,あれ?」 Poroが振り返ると,帰り支度をしている女性陣3人. 「じゃあ帰りましょうか・・・」 「「うん」」 先に走っていくIZUMIとAMI. 「あれ?鳥さんは?」 「ええ,今さっき入荷したとのことですので・・・.ではみなさん遅れずに帰って来て下さいね・・・」 IXYが事も無げに言う.しかも通りすがりにラッピー達をレスタで復活させている(実際死んではいなかったのだ) (同士アル・・・疑って済まなかった,我は心弱き者だな・・・) 「いや,謝るのは俺の方だ.こういう危険なヤツがいることを失念していた・・・.みんな,手を貸してくれっ!!」 (きゅぴー)×たくさん のかけ声と共に,壮絶なエンドレスワルツ,もといバトル(一方的)が始まった. -惨劇1日後- 惨劇の跡地・・・風が吹きすさぶ中,地面の大きな塊がむくりと起きあがった. 「・・・我は無敵なりっ!!」 Poroであった.きゃつを屠る方法はこの世界にないのであろうか? 「お腹減った,ラーメン喰いたいっす~」 けろっとしてパイオニア2に帰還するのであった・・・ -終- |