■暗黒童心レイマーズ |
今日程,人の視線が気になった事はない・・・. 蔑みや,妬み等の言われなき視線はどういう事はない.こちらに非がないのだから. だが,今回はあからさまにこちらに目を引く要素があるので,それが恥ずかしかった. すでに何回か試したが,私は元凶達を取り除こうと虚しい努力を試みた・・・ 「い,いい加減にして私から離れてって!!」 私の背後には,ぱっと見誰もが引いてしまうような集団ができていた. 自称「レイマーズ」と名乗る数人の男達である. その中の1人が言った. 「そうは行きません.これからは姉御に恩返しをすべく,我らレイマーズが懇切丁寧,一日一善をモットーに尽くす所存でありまっす」 声の主はPoroだった. 言っていることに目眩を覚えつつ,何故こうなったのか,私はそんなに徳の無い行いをしてきたのだろうかと,無神論のくせに悩んでしまった. 「あねご~,俺っちあねごに面倒みてもらったこと,これっぽっちも忘れてないよ」 oMs@Kenta(けんた:ヒューキャスト)が言う.彼はPoroに継ぐ古参の知り合いの1人である. 「けんちゃん.それはもう良いって言ったでしょ・・・」 言ってからまずいと思ったが,もう祭りは終わっている.矢継ぎ早に口撃が飛んできた. 「け,けんちゃんって,姉御,俺と言う者がありながら一体いつのまにその様な関係,ぐあぁ・・・」 言い終えるまでもなく,RED(レッド:レイマー),Czm(CZM:レイマー),ALFAIN(アルファイン:レイマー)の3名に,ぼこぼこにされるPoro. 「「「誰がお前のだ誰が」」」 ここまでハモると合唱ができそうだ. 「大体,Kentaはレイマー違うだろうが,このポンコツ!!」 Poroは随分頑丈な様だ.これなら十分Kentaに対抗できるね. 「ふん,愛があれば~わははは~」 Kentaが何やらわめいている. 「Thitoseさん,俺は確かにお会いしてから間もないですが,貴女を思う気持ちは誰にも負けま,ごふぅ・・・」 ALFAINが一寸飛び出して,なにやら告白めいた事を言うや否や,残りの4人(+Kenta)が一斉に取り押さえた. 「そんなヤツの言うことを間に受けては駄目です.この俺の萌えるような,じゃなくて燃えるまなざしを・・・はうぁ・・・」 赤いレイマーのREDが僅かな隙を狙って飛び出してきたが,その隙に対して台詞が長すぎた様だ・・・. 「ふっ,お前等,がつがつしすぎだ.俺の様に紳士に行かないとな.Thitose.俺についてきなって・・・げふぅ・・・」 「「「「呼び捨てにするなぁ」」」」 もはや説明はいるまい. 紳士もうめき声を上げては台無しである. しばし,こういうやりとりが繰り返されているのだ,賢明な者なら,如何にこれが恥ずかしくて迷惑な事かを推察されたい. しかし,決定的な場面が訪れた. 「あら,ちーってば,もてもてじゃない」 「ま,まちじゃなない.は,はろ~」 私は掠れた声で挨拶をした,ま,まずい,何を言われるのだろうか? 彼女はMachilda(マチルダ:ハニュエール). 以前から友人としてつきあっている,明るい女性だ. だが,現在,向こうとこちらでは決定的に違うものがあった. 「私にも分けて欲しいわね.いつのまにそんな世界を創り上げたの?」 「ほ,欲しいなら,箱詰めしてあげるわよ・・・それよりもマチの周りの人は?」 向こうは見た目の良い女の子が数人ばかりいた. 華やかとはこういう事を言うのだろう.こちらとはえらい違いだ. 「あ,この子達は私が助けたり手伝ったりしたら付いて来ちゃって,良いって言ってるのにね」 嫌みで言われたら反論するのだが,彼女はそういう人物ではないので,この場合,私の怒りは当然ながらレイマーズに向く事になる. 「き,きさまらぁ~,も,もう,ただおかないわよ~」 「「「「「姉御が切れた」」」」」 雲散霧消とはこの事か?一斉に走り去る面々. 追いかける私.だんだんイメージが崩れて来ているのか?これは大宇宙の意思か? つまらないことはさておき,この日は忘れられない日となった. -終- |